トライオートETFって、自動で売買してくれるし、設定して放置できるのが魅力ですよね。
でも僕自身、「しばらく放っておいたら、利益が出ているはずなのにむしろマイナス…」という状況に直面しました。
その原因は、“金利調整額”という見えにくいコスト。 これはポジションを保有している間、毎日発生していく仕組みです。
この記事では、そんな金利調整額の仕組みや確認方法、そして気をつけておきたいポイントを体験ベースでわかりやすくお伝えします。
Contents
金利調整額ってなに?→ 実は“借金の利息”みたいなもの
仕組みはちょっとややこしいんですが、簡単に言うとこうです:
トライオートETFは、レバレッジ(証拠金)を使ってETFを運用しています。つまり、全額を自分で出して買ってるわけじゃなく、実質的には「ETFを買うためにお金を借りてる」状態なんですね。
たとえばTQQQとかS&P500ダブルのような米ドル建てETFを買っている場合、実質的に「米ドルを借りて運用してる」ことになります。
で、その借金には当然、金利(利息)がかかるわけです。
そのため、米国の金利がそのままコストとしてのしかかってきます。
その金利に、インヴァスト証券が設定している手数料なんかも上乗せされて、最終的に「金利調整額」という名前で毎日コストが発生しています。
つまり、保有期間が長くなればなるほど、この ”コスト” が積み重なっていきます。これが “長期保有は危険” と言われる理由です。
僕の実例:気づいたら5万円減ってた話
金利調整額の影響って、正直なめてました。
期間損益報告書.png)
2023年3月、運用結果を見たとき「ん?プラスのはずなのに…マイナス?」と。
よくよく見たら、金利調整額だけで5万円以上も引かれてたんです。
繰り返しになりますが、トライオートETFは売・買にかかわらず、保有するだけで金利調整額が発生してしまうので長期保有となる場合には十分注意が必要です。
しかもこれは、「売り・買い」どっちのポジションでもかかってきます。
僕はこれに気づかず、最終的には金利に押されて約20万円の損切り…。これが初めての大きな学びでした。
20万円超の損切。大損から学んだトライオートETFの注意点。
今だから冷静に話せるけど、当時はかなりショックでした。
これから始める方は、金利調整額と相場の流れ、この2つは絶対に無視しないようにしてくださいね。
現在トライオートETFを運用している人で、「利益が出てるのに、なぜか増えてない。むしろマイナス。」という人は、まずこの“金利コスト”を疑った方がいいです。
2025年4月現在、金利は決済の時に精算されますが、2023年12月15日以前の取引ルールでは3、6,9,12月の最終取引日に金利調整額が精算されていました。そのため、上記の金利調整額は2023年1月~3月の3ヶ月分の金利調整額になります。詳しくは 公式ページ「金利調整額・貸株料調整額の支払いはいつ発生しますか?」 をご覧ください。
金利調整額はどこで見れる?→ アプリから一発で確認OK
スマホのアプリで簡単に確認できるので、その手順を紹介します。
(パソコンからも同じように確認できます)
お客様サポートの金利調整額で確認
1.①画面下部の「メニュー」をタップし、②「お客様サポート」をタップします。

2.「ETF金利調整額」をタップします。

3.下のような画面が出てくるので、確認したい金利調整額のPEFファイルをタップすると確認することができます。

一例として、一番上の「今週の金利調整額(速報)」は次のようになっていて、全ての銘柄の金利調整額を確認することができます。
-816x1024.png)
例えば、「ナスダック100」の場合、買いの1建玉あたり1日「-16.212円」の金利が発生していた時期もありました(※2023年4月時点の速報ベース)。
つまり、1ポジション持ってるだけで毎日約16円コストが発生する。「少額だから大したことない」と思いがちですが、これが積もるとけっこう痛いです。
もしまだ確認したことない方は、一度見てみるのをおすすめします。
金利調整額は変わる!最新データは要チェック
これ、けっこう見落としがちなんですが、金利調整額って常に一定じゃないんです。

インヴァスト証券の公式データをみると、
- 2022年1月:1.32%
- 2023年4月:13.82%
…というように、1年ちょっとで10倍以上に膨れ上がってます。
つまり、「今はどれくらいなのか?」っていうのは、定期的にチェックしないと危ないです。
また、今現在の数字だけを見るのではなく、過去の推移や今後の見通しにも目を向けることも重要になってきます。
今後どうなる?→少しマシになる“かも”です
「この金利ずっと続くの…?」って不安になりますよね。
実は、2025年以降はアメリカでインフレが落ち着いてきた影響で、利下げの流れになりそうと言われてます。(参考→ニッセイ基礎研究所)
つまり、米国の金利が下がることで、米国銘柄の金利調整額も軽くなる可能性はあるという感じです(もちろん確定ではないけど)。
逆に、日本では少しずつ金利を上げる方向で動いていて、2026年ごろには1%超えもあるかも?という話も。
そのため、日本銘柄は、金利調整額が上がっていく可能性が高いということです。
金利調整額への対策まとめ → 今すぐできることもあります!
ここまで読んで、「じゃあどうすればいいの?」って思った方も多いと思います。
でも、対策は意外とシンプル。以下のような工夫で、金利の負担はかなり軽くできます。
- 短期で回す設定にする:利確幅を狭くして、保有日数を減らす。
- 高金利の銘柄を避ける:高金利の商品は避け、倍率の低いETFにシフト。
- 含み損のまま放置しない:戻り待ちは危険。早めの見直しを。
- 金利に関する情報を得る:政策金利の予測をチェック。
- トライオートFXも活用:スワップがプラスになる設定で金利逆転を狙う。
まとめ:長期保有派は金利調整額を常に意識しよう
トライオートETFは簡単で便利だし、自動売買ってほんとありがたい。
でも、「自動だから安心」と思って完全放置してたら、金利調整額にじわじわやられてるってことも。
僕みたいに、あとから「やば、めっちゃ引かれてる…」って気づくのはしんどいです。
だからこそ、
- ポジションごとの金利調整額を定期的に確認する
- 金利情勢もざっくりチェックしておく
これだけで、かなり運用の精度が上がると思ってます。
この小さなアクションが、きっと将来のリターンを守ってくれるはずです。
あとがき
金利調整額が高すぎる…という状態が続いていたので、2023年12月に資金の一部をトライオートFXに移しました。
というのも、トライオートETFでは金利調整額が必ずマイナスになるけど、トライオートFXではプラスになるように設定することもできるんですよね。
実際、僕もスワップがプラスになるような設定にして、今は日々の金利でコツコツ利益を積み上げています。
トライオートFXもETFと同じく自動売買で、ほぼ放置で運用できるので、忙しい人や時間がない方には、相性の良い投資スタイルだと思います。