将来のセルフベーシックインカムに向けて、SPYD(SPDR®ポートフォリオS&P500®高配当株式ETF)の積立投資を始めてみました。現在運用23ヶ月目になります。
とはいうものの、元手があるわけではないので、毎月1株ずつ買い足していくことにしてみました。
この記事では、毎月SPYDを1株ずつ購入している結果とSPYDのメリット・デメリットについて紹介しています。
価格や配当率はネット上でいくらでも見つけられると思いますが、この記事では実際に運用した結果と合わせて、この投資から学んだことなどをありのままに紹介しています。
運用方法
- 毎月1株SPYDを購入(5000~6500円)
- NISAを利用して毎月自動で購入
- 配当が貯まったら追加で購入
この投資を始めたときはSBI証券を使っていましたが、2024年1月から新NISAが始まったこともあり、現在ではNISA(成長投資枠)口座のある楽天証券で運用しています。
SPYDとは
SPYDは「S&P500高配当指数」という株価指数に連動するようにつくられたETF(上場投資信託)になります。
S&P500高配当指数は、米国市場を代表する500社で構成されるS&P500のうち、特に配当利回りが高い80社で構成される株価指数です。
SPYDに購入することで、S&P500の採用銘柄の中で配当利回りが高い80社へ分散して投資しているのと同じ効果が期待できます。
SPYDの人気
SBI証券の2022年上半期人気ETFランキングではSPYDは2位と、高配当ETFとしてとても人気が高い商品となっています(2021年は1位)。
SPYDは2015年10月に設定された比較的新しいETFで、運用期間はおよそ7年程度ですが、SBI証券やその他の金融機関でも人気の商品となっています。
高い配当率
2022年は5%を超える高い配当率を記録しました。
直近だけではなく、過去5年間の平均でも4.5%という高い配当になっています。
年 | 価格 ($) | 配当 ($) | 利回り (%) |
2019年 | 39.46 | 1.75 | 4.43 |
2020年 | 32.94 | 1.63 | 4.95 |
2021年 | 42.05 | 1.55 | 3.68 |
2022年 | 39.58 | 1.98 | 5.01 |
2023年 | 39.19 | 1.83 | 4.66 |
平均 | 37.88 | 1.75 | 4.55 |
配当利回りは年間の総配当額をその年の終値で割って求めています。
利回り [%] = 配当 [$] ÷ 終値 [$]
運用結果
23ヶ月目の運用結果もプラスをキープ。
しばらくマイナスが続いていましたが、10ヶ月連続のプラスになりました。
保有期間が長くなれななるほど配当による効果が大きくなっていくので、今後もコツコツと続けていきたいと思います。
運用結果
入金計:130,458 円
評価額:151,387 円
リターン:+20,929 円
購入履歴
2022年11月から自動購入(定期積立)を開始しました。
これまでの購入金額と配当は次のようになります。
経過 | 年月 | 価格 ($) | $ / 円 | 価格 (円) | 配当 ($) |
1 | 2022年11月 | 39.38 | 147.6 | 5,811 | - |
2 | 2022年12月 | 41.97 | 135.8 | 5,698 | 0.75 |
3 | 2023年1月 | 39.84 | 131.3 | 5,232 | - |
4 | 2023年2月 | 41.96 | 128.8 | 5,404 | - |
5 | 2023年3月 | 39.93 | 136.6 | 5,452 | 1.41 |
6 | 2023年4月 | 37.97 | 132.9 | 5,048 | - |
7 | 2023年5月 | 38.17 | 137.6 | 5,353 | - |
8 | 2023年6月 | 35.29 | 139.2 | 4,913 | 2.69 |
9 | 2023年7月 | 38.85 | 141.2 | 5,484 | - |
10 | 2023年8月 | 38.77 | 143.4 | 5,559 | - |
11 | 2023年9月 | 37.51 | 146.4 | 5,492 | 3.50 |
12 | 2023年10月 | 35.02 | 150.1 | 5,258 | - |
13 | 2023年11月 | 33.63 | 150.6 | 5,066 | - |
14 | 2023年12月 | 36.68 | 146.9 | 5,387 | 5.39 |
15 | 2024年1月 | 39.08 | 143.6 | 5,611 | - |
16 | 2024年2月 | 38.59 | 146.5 | 5,655 | - |
17 | 2024年3月 | 38.85 | 150.3 | 5,838 | 4.72 |
18 | 2024年4月 | 40.77 | 151.9 | 6,195 | - |
19 | 2024年5月 | 39.30 | 156.3 | 6,141 | - |
20 | 2024年6月 | 40.92 | 156.6 | 6,410 | 8.77 |
21 | 2024年7月 | 40.30 | 161.9 | 6,522 | - |
22 | 2024年8月 | 43.33 | 149.7 | 6,488 | - |
23 | 2024年9月 | 44.92 | 145.6 | 6,541 | 9.46 |
株価も、円も上がったり下がったりしているので価格は日々かわっています。
今のところだいたい1株5700円くらいで購入できています。
分配金
SPYDは3,6,9,12月と年に4回の分配金が支払われます。
ETFの分配金は組入銘柄の配当金や利息から運用経費を差し引いて決算時に分配される仕組みです。
支払われた分配金は自動で再投資する仕組みがないので、1株買える額の分配金が貯まったら手動で買い足しする予定です。
この調子でいくと、早ければ次回(9月)、遅くても次々回(12月)には1株分の配当金が貯まりそうなので、その時は1株買い足したいと思います。
シミュレーション
過去5年分のデータを使って毎月1株ずつ買った場合のシミュレーションをしてみました。
詳しいデータを載せることは出典先から禁止されているので結果だけ紹介します。
5年間毎月1株ずつSPYDを購入した場合、25万円の入金に対して配当を含めた資産は40万円になります。
コロナが流しはじめた2020年3月からはしばらくの間マイナスになりましたが、5年後には約1.6倍まで資産が大きくなっています。
5年前からはじめていたらよかった…笑
出典
SPYDのメリット・デメリット
SPYDは米国の証券市場に上場している配当利回りが多い銘柄で構成されている金融商品になりますが、万能な商品というわけではなくメリットやデメリットがあります。
デメリット
SPYDを買うデメリットは以下のとおりです。
SPYDを買うデメリット
景気変動の影響を受けやすい
配当金に米国課税が追加される
運用益が狙いにくい
SPYDはキャピタルゲイン(売買による利益)が狙いにくい商品です。
高配当を実現する企業は、業績が安定した大企業が多く、大きな株価変動をしにくいと言われています。
この記事の冒頭で紹介したチャートでも価格は$32~45の間で変動しています。
成長が全く期待できないわけではないですが、キャピタルゲインを狙うならSPYDはおすすめのETFではありません。
景気変動の影響を受けやすい
SPYDは、様々な業種の株式が組み込まれています。
その中には景気の影響を受けやすい金融や不動産といった業種の株式もあるため、景気変動に敏感になっています。
そのため、景気が後退する場面では価格が下がるだけでなく、配当金の減配や無配が発生するおそれがあります。
実際に2020年のコロナショックの時には大幅な減配が発生していました。
配当金に米国課税が追加される
SPYDを含む米国ETFの配当金には一定の税金がかかります。
まず米国内で10%が徴収され、残った金額に対し日本国内でさらに20.315%が源泉徴収されます。
ただし確定申告で「外国税額控除」を行えば課税額は日本分だけで抑えることができます。
メリット
SPYDを買うメリットは以下のとおりです。
SPYDを買うメリット
少額投資が可能
運用コストが安い(業界最安水準)
利回りが高く高配当が期待できる
SPYDに投資する最大のメリットは、配当利回りが高いことです。
先ほども紹介したように、ここ4年間は約4.5%の配当利回りを実現しています。
100万円の投資で約4.5万円の利益を毎年受け取ることができます。
少額投資が可能
米国ETFであるSPYDは少額から投資が可能です。
2024年6月28日時点の株価は$39.8であり、日本円でおよそ6,200円程度で購入することできます($1=156円で計算)。
他の有名な米国高配当ETFであるVYMやHDVと比べると半分くらいの価格になります。
運用コストが安い
ETFには保有しているだけで毎年経費がかかりますが、SPYDの経費率は年率0.07%と最安水準なので、取引コストを抑えながら運用できるのも大きなメリットの一つです。
購入方法
SBI証券、楽天証券、マネックス証券で米国ETFの定期自動購入をすることができます。
このうちSBI証券と楽天証券は1株から設定することができますが、マネックス証券は最注文価格が1万円以上となっています(2023年2月現在)。
1株から定期購入を始めたい方はSBI証券か楽天証券で口座をひらきましょう。
あとがき
この記事ではSPYDの定期購入に関する情報を中心に、デメリットやメリットについても解説してきました。
最後に、SPYDのポイントを3つまとめます。
SPYDのポイント
- S&P500の採用銘柄の中で配当利回りが高い80社へ投資しているのと同じ効果が期待できる
- 経費率が0.07%で取引コストを抑えられる
- 6,000円程度の少額から投資できる
SPYDは米国高配当ETFの中でも特に高い配当利回りを実現しています。
今後も毎月買い足しながら、将来に向けて配当を増やして行きたいと思います。
僕がメインでやっているトラリピやトライオートETFのように、SPYD投資もほぼほったらかしで運用できます。
そのため、フルタイムで働く会社員や子育て中でまとまった時間が取れない人にもおススメの投資方法になります。